Bitgetの資金調達率とは？見方や計算方法・発生タイミングと稼ぎ方について徹底解説

Bitget（ビットゲット）で仮想通貨の先物取引を行う際、避けて通れないのが「資金調達率」です。

「資金調達料って一体何？」「資金調達率がプラスやマイナスになると何が変わるの？」と疑問に感じている方も多いでしょう。

本記事では、Bitgetの資金調達率の仕組みから計算・確認方法にいたるまで丁寧に解説していきます。

また、資金調達料が発生するタイミングや、資金調達率を上手に活用して稼ぐ方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

Bitget(ビットゲット)の資金調達率とは？

Bitgetの資金調達率とは、仮想通貨のデリバティブ取引（無期限先物）において、先物の価格と現物の価格の乖離を調整するために、ロングポジションとショートポジションの間で定期的にやり取りされる手数料のことです。

この手数料は取引所が徴収するのではなく、ユーザー同士で直接支払い合う仕組みになっており、資金調達率がプラスかマイナスかによって「どちらのポジションが手数料を支払う側になるか」が決まり、市場の需給バランスをとる役割を果たしています。

一般的に、資金調達率がプラスの場合は先物価格が現物より高い強気相場を示し、この場合はロング（買い）ポジションを持つトレーダーが資金調達料を支払い、ショート（売り）ポジションを持つトレーダーがそれを受け取ります。

反対に、資金調達率がマイナスの場合は先物価格が現物より低い弱気相場を示し、ショートポジション側が資金調達料を支払い、ロングポジション側が受け取ることになります。

この仕組みによって、先物価格が極端に現物価格とかけ離れないようインセンティブが働き、市場の公平性・安定性が保たれるようになっています。

また、資金調達率は取引手数料（売買時に取引所に支払う手数料）とは異なる点にも注意が必要です。

取引手数料はBitgetなどの取引所に支払いますが、資金調達料はあくまでユーザー間での授受となるため、覚えておくようにしましょう。

Bitgetの資金調達率の仕組みと計算方法

ここでは、Bitgetの資金調達率の仕組みと計算方法について解説していきます。

資金調達率の仕組みと計算方法

資金調達率は「金利」と「プレミアム指数」という2つの要素から計算されます。

Bitgetでは基本となる金利が0.01%に設定されており、先物価格と現物価格の差（プレミアムまたはディスカウント）に応じて資金調達率が上下します。

以下が資金調達率の計算式になります。

資金調達率 = 金利指数 (I) + プレミアム指数 (P) （※必要に応じて±0.05%の調整幅あり）

ここで、プレミアム指数Pは先物価格と現物の指数価格の差を表す指標で、マーケット状況に応じて毎分計算されています。

なお、Bitgetでは、この金利とプレミアム指数を8時間分集計し、直近ほど重み付けを高くして平均を取ることでその期間の平均プレミアムを算出し、上記の式に当てはめて資金調達率を求めています。

また、急激な変動によって極端な値になりすぎないように、±0.05%の緩和幅（ダンパー）が設けられており、IとPの差が±0.05%以内なら資金調達率はほぼ金利相当になるよう調整されています。

さらに各通貨ペアごとに資金調達率の上限・下限も設定されており、例えばBTC/USDTでは1回あたり最大+0.3000%／最小-0.3000%までと定められています。

資金調達料の計算方法

実際に支払われる（または受け取る）資金調達料は、ポジションの価値×資金調達率で求められます。

Bitget公式もこの計算式を提示しており、「資金調達料 ＝ ポジション価値 × 資金調達率」と定義しています。

ポジション価値とは、保有している先物ポジションの現在価格ベースの評価額のことで、レバレッジ倍率や証拠金額に関係なく、契約数量×価格で算出される金額です。

そのため、ハイレバレッジで少額の証拠金しか入れていなくても、大きなポジションを持てばその全体に対して資金調達料が発生します。

例えば、$10,000相当のBTC先物ポジションを保有し資金調達率が0.01%（プラス）だった場合、資金調達料 = 10,000 × 0.0001 = 1USDTとなり、ロングポジションであれば1USDTを支払い、ショートポジションであれば1USDTを受け取ることができます。

なお、同じ条件で資金調達率がマイナス0.01%ならば、ロングが1USDT受け取り、ショートが1USDT支払うことになります。

資金調達率	ポジション種類	ポジション価値 (USDT)	資金調達料 (USDT)	支払い/受け取りの向き
+0.010%	ロングポジション	10,000	1.0	1.0 USDTを支払う（ロング→ショート）
+0.010%	ショートポジション	10,000	1.0	1.0 USDTを受け取る（ロング→ショート）
-0.010%	ロングポジション	10,000	1.0	1.0 USDTを受け取る（ショート→ロング）
-0.010%	ショートポジション	10,000	1.0	1.0 USDTを支払う（ショート→ロング）

上記の表の通り、資金調達率がプラス（＋）であればロング側が支払い、マイナス（－）であればショート側が資金調達料を支払う形となります。

なお、Bitgetではユーザーの健全な取引環境を守るために資金調達料の徴収ルールにも工夫があります。

資金調達料を徴収する際、証拠金維持率（維持証拠金）を割り込むほどの額は請求されない決まりになっており、ポジションの証拠金から維持率ギリギリのラインまでを上限に資金調達料が差し引かれます。

Bitgetの資金調達率の確認方法

ここでは、Bitgetの資金調達率の確認方法について解説していきます。

資金調達率の見方自体は難しくありませんが、「どのタイミングの資金調達率を見ているのか」には注意する必要があります。

Bitgetの画面に表示されている数値はカウントダウンが終了した際に適用される予定の資金調達率であり、マーケットの状況に応じて変化するため、ポジションを長時間保有する場合は定期的にチェックしておくようにしましょう。

Bitgetの資金調達率の履歴と推移の確認方法と活用方法

ここでは、Bitgetの資金調達率の履歴と推移の確認方法と活用方法について、それぞれ解説していきます。

資金調達率の履歴の確認方法

Bitgetの資金調達率の履歴を確認する手順は以下の通りです。

Bitgetの資金調達率の履歴を確認する流れは以上になります。

資金調達率の履歴の活用方法

資金調達率はリアルタイムのものを確認するだけでなく、その推移を見ることも重要です。

過去の資金調達率の履歴を知ることで、市場の心理状態や特定の期間における需給バランスの偏りを把握することができます。

上記の図は資金調達率の変動例を示したグラフです。

このように資金調達率は市場状況によってプラスとマイナスを行き来しており、一般的には市場全体が強気局面の場合はロングポジションが増えがちなため、資金調達率がプラスで推移する期間が多くなります。

反対に、急落局面などでは一時的に資金調達率がマイナスに振れる（ショートが優勢となる）こともあります。

過去の例では、ビットコイン価格が急騰した2024年2月には主要取引所で年率換算100%を超える異常な資金調達率が観測されたケースもありました。

これは8時間換算で約0.07%程度ですが、それでも通常時と比べ極端に高い水準であり、市場がいかにロング一色になっていたかを示しています。

なお、資金調達率の履歴データの確認方法としては、Bitgetで確認する以外にもCoinGlassなどの外部サイトの活用が便利なので、ぜひ利用してみてください。

Bitgetの資金調達率が発生するタイミング

Bitgetでは通常、資金調達料の精算（支払い・受け取り）は8時間ごとに行われます。

具体的な発生時刻は、日本時間で毎日午前1時・午前9時・午後5時の1日3回の頻度で資金調達料が発生し、その時点でポジションを保有しているトレーダーに対して支払いや受取りが発生する仕組みになっています。

例えば、日本時間午後5時ちょうどにBTCUSDT無期限先物のロングポジションを持っていれば、その瞬間に適用された資金調達率に基づいて資金調達料を支払い（または受け取り）します。

逆に午後5時より少しでも前に決済してノーポジションであれば、その回の資金調達料は関係ありません。

取引所のシステムが発生時刻ごとにポジション状況をスナップショットで確認し、ポジション保有者に資金調達料が課金・付与されるため、資金調達料を払いたくない場合は発生時刻の直前までにポジションを手放すことで回避することが可能です。

逆に、資金調達料をもらいたい場合は発生時刻にポジションを持っている必要があります。

ただし、Bitgetのシステムでは取引を中断せずに計算処理を行う都合上、数秒程度のズレが生じる可能性があると注意喚起されています。

例えば「発生時刻の数秒後（公式の説明ではUTC+8の7:00:05など）にポジションを開閉した場合でも資金調達料が発生する場合がある」とのことです。

そのため、ギリギリのタイミングを狙って決済しても間に合わず支払いが発生してしまうリスクがあり、確実に資金調達料の支払いを避けたいなら、少なくとも1～2分以上前にはポジションを閉じておくほうが安全でしょう。

Bitgetの資金調達率を活用して稼ぐ方法

資金調達率を利用して稼ぐ方法で最も有名なものが、「資金調達率を狙ったアービトラージ戦略」です。

資金調達率アービトラージとは、資金調達料の受け取りを狙って先物と現物の両方にポジションを持つ方法のことです。

基本的なやり方は「対象の銘柄を無期限先物でショートし、同し数量を現物でロングする（※資金調達率がプラスの場合）」というものです。

こうすることで価格変動によるリスクを相殺しつつ、先物のショートポジションでプラスの資金調達料を受け取ることができます。

アービトラージ戦略の具体例

BitgetでBTCUSDTの無期限先物をショートし、同額のBTCを現物で購入（ロング）します。

この状態でBitgetの資金調達率が+0.05%だったとすると、ポジション価値が50,000ドル分ある場合、1回の資金調達料の受取は50,000 × 0.0005 = 25USDTになります。

Bitgetではこれが8時間ごとに発生するので、1日では合計3回で計75USDTの資金調達料を受け取ることができます。

項目	値
資金調達率	+0.05%
ポジション（先物）	50,000ドル分のBTCをショート
ポジション（現物）	50,000ドル分のBTCを購入
資金調達料（1回）	+25USDT
資金調達料（1日）	+75USDT

現物のBTCは値動きしますが、同額をショートしているため、価格変動による損益はで相殺され、その結果、ほぼノーリスクに近い形で1日75USDTの利益が得られる計算です。

上記の例では年率換算すると約54.75%（75USDT/日 × 365日 ÷ 50,000 USDT ≈ 0.5475）にもなり、非常に高利回りのように見えます。

ただし、実際には資金調達率0.05%という高水準がずっと続く保証はなく、多くの場合はほかのアービトラージ勢の参入で資金調達率は低下していきます。

実際に、2024年初頭にビットコインの資金調達率が年率100%超に達した際、海外の仮想通貨ファンドは即座に大量のショート&現物買いを行ったと報じられ、結果として資金調達率は短時間で正常化しました。

アービトラージ戦略の注意点

完全にリスクがゼロではない点に注意しましょう。

特に、異なる取引所間でそれぞれポジションを保有する場合は約定が遅延するなどのリスクがあります。

また、Bitgetでハイレバレッジを使ってショートし、現物を手元に持つ形にすると自己資金効率は上がりますが、先物側の証拠金維持率に注意が必要です。

仮に現物を売却してしまったり、先物側で損失が膨らんでロスカットされると、ヘッジが崩れて大きな損失が出る可能性があるため、この戦略をとる際は確実に両建てを維持し、必要証拠金に十分な余裕を持たせることが重要です。

Bitgetの資金調達率に関する注意点

ここでは、Bitgetの資金調達率に関する注意点について解説していきます。

資金調達率は常に変動する

資金調達率は固定ではなく市場に応じて変化するため、ある時点では高い資金調達率でも、数時間後には低下している可能性があります。

特にアービトラージ戦略などで「この資金調達率が続く前提」でポジションを組む場合、想定より早く利幅が縮小するリスクに注意するようにしましょう。

手数料やスプレッドなどのコストがかかる

資金調達料のやり取りは各8時間ごとですが、ポジションを動かす際には毎回取引手数料が発生します。

Bitgetの先物手数料は比較的安価とはいえ、頻繁に売買すればその分コストがかさんでしまいます。

また、板が薄い銘柄ではポジションを保有する際にスプレッドが広くなる場合もあるため、資金調達料で得られる利益とこれらのコストを天秤にかけ、手数料負けの状態にならないように注意しましょう。

証拠金維持率に気を付ける

高いレバレッジでポジションを持つほど、資金調達料の影響は証拠金に対して大きくなります。

例えば、証拠金100USDTで1万USDTのポジション（100倍レバ）を持つと、資金調達率0.01%でも1USDTの支払いは証拠金の1%に相当し、これが0.1%なら10%と、証拠金に対する比率で見るとかなりの負担になります。

証拠金維持率がギリギリの状態でハイレバ取引をしていると、資金調達料の支払いだけでロスカット圏内に近づいてしまう恐れもあります。

Bitgetでは証拠金維持率を割り込む額は請求しないルールがありますが、ギリギリの状態で取引していると少しの変動でもロスカットされてしまうため、十分な証拠金を維持し、資金調達料分も見越した証拠金の管理をすることが重要です。

Bitgetの資金調達率に関するよくある質問と回答

ここでは、Bitgetの資金調達率に関するよくある質問とその回答を紹介します。

まとめ

Bitget（ビットゲット）の資金調達率について解説してきました。

資金調達率は一見難しそうですが、要点を整理すると「先物価格と現物価格を近づけるためのユーザー間の手数料」であり、プラスかマイナスかで支払い方向が決まるシンプルな仕組みです。

上手に立ち回れば資金調達率を利用して金利を稼ぐことも可能なため、本記事でも紹介したアービトラージ戦略を参考にしながらBitgetで金利収入を得てみてくださいね！